『つなぐ (感じたこと)』  2015.1.12

今日は、お正月休みに見たテレビの事を思い出しました。

それは歌舞伎役者の海老蔵さんの密着取材でした。

市川家は歌舞の世界で宗家と言われる歌舞伎の本家だそうです。

テレビの中で次のようなコメントがありました。

『ぼくは、歌舞伎の伝統を守るつなぎです。』

その言葉を聞いて、『つなぎ』とは

なにかの芸の伝統を守るという意味と

先祖をはじめ父親や色々な教えていただいた方々への

感謝の気持ちを持ち伝えられたことを次の世代へ伝える意味の

『つなぎ』ではないかと私は思いました。

実は、私が尊敬する人が、先日お亡くなりになったことを知りました。

もう10年以上前ですが、その方に出した手紙に返事をくださったことが今思えば私の人生を大きく変えました。

詳しい内容は以前に書いたブログに掲載されています。


『8年前の手紙 』2011-10-14

『五年越しでやっと出来たこと』(2014.1.3)

私には、身近な人で言えば両親以外にも色々なことを教えてくださった方が多くいました。

ただ、日頃会うことが出来ない人物では、この方が直接手紙をくださった初めての人でした。

私のようなものにまで手紙の返事をくださったその方に感謝しています。

今後は、いただいたものを少しでも受け継ぎ自分なりにそれを

誰かに伝えられるかが自分の中での大きな課題の1つとなりました。

ご冥福をお祈りいたします。

アサヒビール株式会社 中條高徳

絶対に出来ないをやり遂げた男。

■ 今日の言葉

『おやじの弁当』

「アサヒスーパードライ」の育ての親として知られ、
月刊『致知』の連載「巻頭の言葉」をご執筆していただくなど、
弊社とも大変ご縁の深かったアサヒビール名誉顧問・中條高徳先生が
昨年12月24日に亡くなりました。
そこで本日は、生前のご厚情に感謝申し上げ、
心からご冥福をお祈り申し上げるともに、
ご執筆していただいた「巻頭の言葉」から、
選りすぐりの記事をご紹介します。

┌──────今日の注目の人────────┐
「おやじの弁当」
中條高徳(アサヒビール名誉顧問)
※『致知』2009年1月号
連載「巻頭の言葉」より
└─────────────────────┘

その昔、我が国はいまの若者たちが
考え及ばないほど貧乏な国であった。
しかし、その頃の家庭には
ぬくもりがあり、総じて明るかった。
親子の情は濃く、長幼の序は厳しく、
そして礼儀正しかった。
母親は総じて寡黙でつつしみ深く、
人前、とりわけ子供の前では父親を立てた。
来日した著名な外国人たちが、
口を揃えて
「礼節の国」「道義ニッポン」
と讃えてくれた国でもあった。
60数年前、世界の大国と戦い、
そして敗れた。
戦後は食べる食なく、着るに衣のない
どん底の生活を体験しながらも、
我が民族は汗と涙で経済大国日本を築いてきた。
民族の底力と誇っていい。
しかし、富(豊かさ)の構築とほぼ比例するように、
表現を変えれば、築き上げた富と引き換えるように
民族の美点、長所を失ってきた。
悲しいまでの現実の日々である。
著者にとって大事なお得意先であり、
長い知り合いの経営する「三笠会館」
という有名なレストランが銀座にある。
創業者の谷さんは奈良のご出身であり、
在家仏教で名を成した方でもあった。
その三笠会館より以前発行された
『るんびにい』241号で
故・樋口清之教授(国学院大学)の随筆が
戦前の家庭の姿、親子の生き様を語って
余すところがない。
樋口さんの友人で、よく貧乏に耐えて
勉学にひたむきに努める人がいた。
その友人が勉学に励んだ動機は、
「おやじの弁当」
だという。
彼はある日、母が作る父の弁当を
間違えて持って行ってしまった。
彼曰く、
「おやじの弁当は軽く、俺の弁当は重かった。

おやじの弁当箱はご飯が半分で、
自分のにはいっぱい入っており、
おやじの弁当のおかずは
味噌がご飯の上に載せてあっただけなのに、
自分のにはメザシが入っていたことを、
間違えて始めて知った。

父子の弁当の内容を一番よく
知っている両親は黙して語らず。
肉体労働をしている親が
子供の分量の半分でおかずのない弁当を持ってゆく。

これを知った瞬間、
『子を思う親の真(愛)情』が分かり、
胸つまり、涙あふれ、その弁当すら食べられなかった。

その感動の涙が勉学の決意になり、
涙しながら両親の期待を裏切るまいと
心に誓った」
という。
それに引き替え、
戦後の私権の主張のみに急な世相の中では、
「お父さんの弁当の中身は少ないが、
お前のはちゃんとした弁当だから頑張れ」
などと発言しがちであるが、
それでは
「恩、愛の押し売りはごめんだ」
と生意気な子供の言葉が
はね返ってくるのがオチであろう。
この「おやじの弁当」の心こそ、
仏道で説く「陰徳」の妙法であり、
「慎独」の実践なのである。

* *

中條先生には、一昨年の『致知』創刊35周年記念式典に際して、
次のようなメッセージを賜りました。
「『致知』が唱えている人間学の不足が
いまのだらしない日本に繋がっているんですよ。
ですから、私は人間学を一心不乱に説いている
『致知』に最も期待して、感謝している。

そして、ここをよく聞いて!
国家がこのままでは乱れんとする、廃れんとする、
それを救うのはこの人間学の道しかないと私は信じている。

その道を一所懸命にやってくれているから、
心臓の大きな手術をしてでも、
もうやむにやまれないできょう駆けつけたんです」
このありがたいお言葉を肝に銘じて、
さらなる充実した誌面づくりに邁進してまいります。
ご逝去を悼み、心よりご冥福をお祈り申し上げます。

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