そう言えば、思い出しました

古屋商店のフルフルです。

お盆休みも終わり、今日からまた仕事が始まります。

今朝の新聞を読んでいると座禅と瞑想のことが書いてあり、一人の時間をもって考えることの大切さが書かれていました。アメリカでは、あのスティーブ・ジョブズ氏も瞑想をしていたそうです。

「へぇ、そうか~」などと思っていた私は、そういえば十数年前、独身の頃、内観という研修に行ったことを思い出しました。一畳の中で7日間、親や身近な人たちのことを考える研修でした。親なら「親にしてもらったこと」 「自分がしてあげたこと」 「迷惑をかけたこと」だけを一日中考えるものでした。それを何回か繰り返すと不思議に、その人に対する感謝の心が生まれてきました。

当時、先輩にその研修の話をすると、その人は「その研修もいいと思うが、おまん、そんなこんより早く結婚しろ! 結婚が人生最大の研修だぞ」とたしなめられたのを覚えています。

今になって思うことですが、
① 継続の大切さ
 内観も本当は7日間だけでなく、少しの時間でも毎日することが大切だと感じました。そこにおられた方も当時そんなことを言っていた記憶があります。人は、その時だけは「ありがたい」とか「すいませんでした」と思いますが、時が経つにつれて忘れてしまいます。私も当時は両親に感謝しましたが、今ではその当時のことを忘れてしまっている自分に気がつきます。続けることの大切さを思い知らされます。

② 今わからなくても、いつかわかることがある
 当時、先輩に言われたことが何を言っているのか、さっぱりわかりませんでしたが、結婚して子どもが出来たことで、あの時のことはこの意味かと思うことがあります。まさに「結婚とは最大の研修」とは名言だと、その先輩には感謝です。

③ 縁の大切さ
 内観も、その先輩にも、何かのきっかけで知り合うことが出来た。その縁は本当に大切だと思います。今こうして、このブログを書いていることも、その当時の体験や出会いがあったからこそ、今朝の新聞をきっかけに思い出されました。色々なことが繋がっているんだな、なんて最近は感じます。

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<今日の言葉>

この34年、それぞれの一道を拓いてきた人たちに折に触れ、させていただいた質問があります。それは「人生で大事なものは何か」という質問です。たくさんの人たちの答えを一語に集約すると、「先縁尊重」という言葉に表現できると思います。原点の人を忘れないで、大事にするということです。

例えばAさんからBさんを紹介され、Bさんと大変親しくなり、Aさんを忘れてしまう。あげくは無視したり、不義理をする。そういう原点の人を大事にしない人は運命から見放されてしまう、ということです。

私の知っている経営者にこういう方がいます。
その人は丁稚奉公に入った店の主人から、ある日突然、理不尽に解雇されたにもかかわらず、毎年正月に、その元主人の家に年始の挨拶に行くことを欠かさなかった、といいます。普通なら恨みに思っても不思議はないところですが、自分がこうして曲がりなりにも商いをやっているのは、その元主人が自分に仕事を教えてくれたおかげだという原点を忘れなかったのです。

この人はまさに先縁尊重を実践した人です。この人の会社が創業44年、なおも隆盛しているのは、この精神と無縁ではないと思います。

先縁の原点は親です。
親がいなければ、私たちは誰1人この世に存在していません。その親を大事にしない人は、やはり運命が発展していきません。親は、いわば根っこですね。根っこに水をやらなければ、あらゆる植物は枯れてしまいます。親を大事にするというのは、根っこに水をやるのと同じです。
「父母の恩の有無厚薄を問わない。 父母即恩である」と西晋一郎先生はいっています。まさに、至言です。この覚悟のもとに立つ時、人生に真の主体が立つのだと思います。

そして、その親の恩をさらにさかのぼってゆくと、国というものに行きつきます。この国のあることによって、私たちの祖先はその生命を維持継承してきたのです。即ち、国恩です。国恩あることによって、私たちはいまここに、生きています。最近はこの“国の恩”ということを意識する人が少なくなりました。そういう国民は発展しないと思います。

いま日本に確たるものがなく、漂流しているがごとき感があることと、国恩という言葉も意識も薄れていることとは無縁ではないと思います。

幕末明治の人、山岡鉄舟にこういう言葉があります。
「 人は至誠をもって、四恩の鴻徳(こうとく)を奉答し、 誠をもって、私を殺して万機に接すれば 天下敵なきものにして、これが即ち武士道である 」
武士道とは人間道、人生道といい変えてもいいでしょう。四恩とは国とか親とか主君とか先祖とか天の恩。鴻徳とは計り知れないほど大きいということ。即ち、そういう目に見えない四恩に答え、私心なく、自分のやるべき仕事を誠を尽くし全力をもってやりきれば、天下に敵がなくなる、ということです。

これは何も武士だけに限りません。
一般の人も含めて、かつての日本人が共通して持っていた価値観です。こういう思いこそ、日本を日本たらしめているものの根底にあったものです。ローマはローマたらしめているものを守ろうとする意識が薄れて滅びたといいます。私たちは後世に対して日本を日本たらしめているものを守っていかねばなりません。

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